国立科学博物館
深掘POINT1
かはくにいるハチ公
渋谷の待ち合わせスポットになっている忠犬ハチ公像。物語は大正時代、ハチは大学教授の上野英三郎が飼っていた犬です。愛犬家の英三郎は大学に行くときも渋谷駅までハチと一緒に行っていました。英三郎が亡くなった後もハチは渋谷駅で主人が帰ってくるのを待ち続けたという話が新聞に掲載され、忠犬として全国的に一躍有名になりました。さて、ハチはどうしてかはくに?ここは日本館2階にある日本人と関わりの深い生き物を展示するコーナーで、ハチは秋田犬。標本としても貴重な剥製なのです。
深掘POINT2
ヨシモトコレクション
地球館3階「大地を駆ける生命」は、多くの哺乳類の剥製が立ち並ぶ人気の展示です。その剥製の大半は、ハワイの実業家、故ワトソン.T.ヨシモト氏から寄贈された約400点の「ヨシモトコレクション」の一部。他では見られない動物たち、リアルな迫力は必見です。
深掘POINT3
日本館
クラシカルな雰囲気を醸し出す、重要文化財建築の日本館。1923(大正12)年9月の関東大震災により、施設、標本のすべてを焼失するという悲劇を経験し、1931(昭和6)年に震災復興事業として建てられたものです。ネオルネサンス様式を基調とした重厚な建物で、2008(平成20)年には国の重要文化財に指定されました。建物を上空から見ると、当時最先端の科学技術の象徴であった飛行機の形をしています。
深掘POINT4
魅惑のステンドグラス
日本館3階の回廊の上に広がる贅沢な空間には、四方にステンドグラスがあり、最近フォトスポットとして人気が高まっています。向き合う鳳凰と曲線の植物が描かれたそのステンドグラスは、繊細なレリーフが施されていて、天井のドームとアーチの組み合わせが美しい白い壁にとても映えています。日本のステンドグラスのパイオニアである小川三知スタジオ制作。意匠は、築地本願寺を設計した伊東忠太とされています。
深掘POINT5
多様性の道のり、系統広場
かはくは正に研究者の努力の賜物と感じられる広場です。生物は、階層分類や系統分類によって分類されます。地球館1階の系統広場では進化の道のりをあるいてたどることができ、まるで自分が展示物になったような錯覚すら感じさせてくれます。すべての生物は約40億年前に誕生した細胞に由来していると考えられます。たとえばヒトという種の祖先をさかのぼると、サルの祖先、真核生物の祖先、やがてはすべての生物の祖先にたどりつきます。ミュージシャンがMVで使用するなど若者からも人気がある場所です。