トークセッション
ここ上野公園には文化と出合い、文化に触れる喜びを生み出すために日々さまざまな方法を考え続ける人たちがいます。こどもたちが新たな扉を開くきっかけを模索する人たち、アートと人とをつなぐ活動をしてきた人たち、展示を通してメッセージを伝える方法を追求する人たち、多くの人の心を動かすための驚きの方法や努力、その隠された裏側を熱い思いとともに語る3夜限定のスペシャルプログラムです。
TALK 01
こどもたちがミュージアムでさまざまな事柄に触れ、感動し、そして考えて行動する、そんなきっかけを育むための工夫が今回のテーマです。3つのミュージアムで行われているこどもを対象としたコミュニケーション。今回は普段あまり語られていなかったその裏側を、国立科学博物館×恩賜上野動物園×東京都美術館のプロフェッショナルたちが語ります。
登壇者
神島智美
Satomi Kamijima
国立科学博物館学習課係員。1989年生。2015年の国立科学博物館地球館(北側部分)リニューアルにおいて、展示室「親と子のたんけんひろば コンパス」を担当し、現在運営を担当。博物館ならではの特徴を活かしてどのように能動的な学びを応援できるのか、担当内で議論を重ねています。
高橋英之
Hideyuki Takahashi
東京都恩賜上野動物園子供動物園係長。1967年生。1989年4月に東京都に採用、上野動物園の新しい水族館として準備中であった葛西臨海水族園の開園に加わる。その後、葛西臨海水族園飼育係、上野動物園爬虫類館飼育係長などを経て現職。現在、上野動物園に新しい子ども動物園を建設中。欧米の動物園水族館での環境教育や展示、教育プログラムにも関心があり、日本の動物園水族館がもっと学習の場として活用されることを目指して日々頑張っています。
稲庭彩和子
Sawako Inaniwa
東京都美術館 学芸員。1972年生。ロンドン大学UCL修士修了。専門はミュージアム・コミュニケーション。東京国立博物館に非常勤勤務の後、神奈川県立近代美術館を経て、2011年より現職。現在は東京藝大と連携し取り組む「とびらプロジェクト」、子供たちのミュージアム・デビューを推進する「Museum Start あいうえの」、「キュッパのびじゅつかん」展(第5期日本展示学会賞作品賞受賞)などに取り組みながら美術館が社会の中で有機的に機能する方法を模索。共著に『100人で語る美術館の未来』(慶應義塾大学出版会、2011)、『TOKYO1/4が提案する 東京文化資源区の歩き方』(勉誠出版、2016)等。
司会
濱田浄人
Kiyohito Hamada
国立科学博物館学習課長。1962年生。国立科学博物館学習企画課副課長、計画評価室長、国立歴史民俗博物館博物館事業課長などを経て現職。博物館活動への市民参加など、博物館活動の担い手が多様化していることに関心があります。
TALK 02
上野公園や谷中地域の界隈では、大人もこどもも参加できるさまざまな文化活動がこれまで数多く育まれてきました。今回は、アートプロジェクト「アートリンク上野─谷中」の20年の歴史や、東京都美術館×東京藝術大学「とびらプロジェクト」の取組みを題材に、アートの力で人と地域をつないできたプロフェッショナルが、上野の未来を見つめるトークセッションです。
登壇者
椎原晶子
Akiko Shiihara
NPOたいとう歴史都市研究会副理事長。1989年東京藝術大学大学院修了。1989年にまちづくりグループ「谷中学校」設立に参加、以降、運営人。1989〜1995年、山手総合計画研究所勤務。横浜・湘南の歴史を活かすまちづくり、都市デザインに関わる。2000年東京藝術大学大学院美術研究科博士課程(環境デザイン)単位取得退学。同年、同大学大学院文化財保存学保存修復建造物研究室非常勤講師。2001年NPOたいとう歴史都市研究会設立に参加。2004年晶地域文化研究所設立。2009年カヤバ珈琲の再生、2015年古民家をした複合施設「上野桜木あたり」の運営にかかわり現在に至る。
窪田研二
Kenji Kubota
上野の森美術館、水戸芸術館現代美術センター学芸員を経て、現在はインディペンデント・キュレーターとして活動。2008年KENJI KUBOTA ART OFFICE、2010年SNOW Contemporary設立。「X─Color グラフィティ in Japan」(水戸芸術館現代美術センター、2005年)、「六本木クロッシング2010─芸術は可能か?」(森美術館、2010年)、「Don’t Follow the Wind」(福島の帰還困難区域内、2015年-)他、国内外の展覧会キュレーションを多数手がけるとともに、社会システムにおいてアートが機能しうる可能性を様々な文化的フォーマットを用いて試みている。
熊井千代子
Chiyoko Kumai
1976年、江戸時代より続く谷中の畳店クマイ商店に嫁ぎ、1988年家業を手伝うかたわら現代美術を中心に展示するギャラリー、アートフォーラム谷中を開き企画・運営をする。1991年からNPO上野の杜芸術フォーラムのメンバーとして京成電鉄の元博物館動物園駅の進化再生計画を考える。現在も活動中。1997年から〈art-Link上野─谷中〉に参加。実行委員として毎年様々な企画に携わる。
稲庭彩和子
Sawako Inaniwa
東京都美術館 学芸員。1972年生。ロンドン大学UCL修士修了。専門はミュージアム・コミュニケーション。東京国立博物館に非常勤勤務の後、神奈川県立近代美術館を経て、2011年より現職。現在は東京藝大と連携し取り組む「とびらプロジェクト」、子供たちのミュージアム・デビューを推進する「Museum Start あいうえの」、「キュッパのびじゅつかん」展(第5期日本展示学会賞作品賞受賞)などに取り組みながら美術館が社会の中で有機的に機能する方法を模索。共著に『100人で語る美術館の未来』(慶應義塾大学出版会、2011)、『TOKYO1/4が提案する 東京文化資源区の歩き方』(勉誠出版、2016)等。
坂元暁美
Akemi Sakamoto
1988年から彫刻の森美術館、1997年から上野の森美術館学芸員。ピカソ展、VOCA展など近現代美術の展覧会を担当。〈art-Link上野─谷中〉に1997年の開催時より関わり、現在まで実行委員(2000〜01年、04〜15年委員長)。アートリンクでは毎年の企画・運営に携わるほか、「和田みつひと〈光のかたち〉公園灯プロジェクト」(01年)、「金沢健一 音のかけらとパフォーマンス」(07年)、「とうぼうさんとじんじんさん」(08年)などを企画した。
司会
伊藤達矢
Tatsuya Ito
東京藝術大学美術学部特任准教授。1975年生。2006年 東京藝術大学大学院芸術学美術教育専攻 修了(博士号取得)。東京都美術館と東京藝術大学の連携によるアートコミュニティー形成事業「とびらプロジェクト」および、上野公園内に集積する9つの文化施設を連携させたラーニングデザインプロジェクト「Museum Start あいうえの」では、プロジェクト・マネージャを勤め、アートと人びととの間で生まれる新しい価値の創出に取り組んでいる。
TALK 03
博物館には、来館者に伝えたいメッセージがあります。そのメッセージを届けるために展示に様々な工夫がされているのをご存知ですか? 美術作品や考古遺物などの文化財、生きている動物、科学技術の史料など、ジャンルもメッセージも異なる3つの博物館のプロフェッショナルが、それぞれの手法と思いをぶつけあうトークセッションです。
登壇者
矢野賀一
Yoshikazu Yano
東京国立博物館デザイン室主任研究員。2004年4月より東京国立博物館デザイン室勤務。2007年「マーオリ─楽園の神々─」、2009年「染付─藍が彩るアジアの器」「国宝 土偶展」、2012年「出雲─聖地の至宝─」など特別展のデザインのほか、2007年「特集陳列 仏像の道」、2011年本館12室漆工展示室、2012年本館15,16,18室、2013年東洋館、2014年平成館特別展示室、2015年考古展示室リニューアルでも展示室改修デザインを担当した。
鈴木 仁
Hitoshi Suzuki
恩賜上野動物園教育普及係長。1991年4月に東京都に採用。恩賜上野動物園、葛西臨海水族園で主に鳥類の飼育を担当、その後、建設局公園緑地部で都立動物園マスタープランの作成などに携わり、2014年4月より現職。人が生き物に接する機会が極端に少なくなった現在、動物園に何ができるか、日々頭を捻っています。
有賀暢迪
Nobumichi Ariga
国立科学博物館理工学研究部研究員。専門は科学史。2010年に京都大学大学院文学研究科博士後期課程を研究指導認定退学し、大学非常勤講師などを経て2013年より現職。物理学史を中心に、西洋科学史と日本科学史の両面で多彩な研究・展示を手がけている。(Photo by yusuke nakajima)
司会
小林 牧
Maki Kobayashi
東京国立博物館 博物館教育課長。出版社勤務ののち、2000年より東京国立博物館に勤務。情報調査研究室主任研究員、広報室長、教育普及室長をへて現職。展示では、ファミリー向け展示、親と子のギャラリー「日本美術のつくり方」(2009年)「ミイラとエジプトの神々」(2015年)、「美術のうら側探検隊」(2016年)などを手掛ける。