「奥上野」とは、上野公園の北部に広がる一帯をさす愛称です。
このエリアは、世界有数の江戸文化の種をまき開花させた総本山ともいわれる「寛永寺」、日本文化・芸術の歴史を体現するような「東京国立博物館」、夏目漱石や森鴎外、宮沢賢治、樋口一葉などの近代日本文学の文豪たちが足しげく通ったと言われる「帝国図書館(現在は国際子ども図書館)」、日本の芸術シーンをリードする才能を生み出し続ける「東京藝術大学」などが立地しており、現在に至る日本の文化芸術のはじまりの地でありインキュベーションセンターともいえる場所です。
殊に正岡子規はこの奥上野にゆかりが深く、現在の「寛永寺開山堂(両大師)」あたりにあった野原で(子規が訳語を発明したといわれる)野球に興じ、時に吟行し、漱石ら友人たちと語り合い、奥上野の山麓ともいえる根岸に庵を置いて近代俳句の拠点とし、そしてこの地で生涯を終えました。
上野文化の杜は、このような歴史と物語を持つ奥上野の地で、<奥上野 吟行+俳句会」>を日本文学の稀有の改革者であった正岡子規へのオマージュをこめて開催いたします。
皆さまのご参加をお待ちしています。

奥上野俳句会は、東京国立博物館・日本庭園に建つ茶室(九条館)にて、俳人 神野紗希さんを席主にお迎えして開催します。

席主紹介

神野紗希(こうのさき)さん
1983年、愛媛県松山市生まれ。俳人。高校時代、俳句甲子園をきっかけに俳句を始める。2001年、第4回俳句甲子園で団体優勝、〈カンバスの余白八月十五日〉で個人最優秀賞。2002年、第1回芝不器男俳句新人賞坪内稔典奨励賞。2020年、第11回桂信子賞。 2004年4月~6年間、NHK-BS「俳句王国」番組司会。現在もNHK総合「ひめポン!」ラジオ「ひめゴジ」出演など、メディアを通して俳句の魅力を広く伝えている。 句集に『星の地図』(マルコボ.com)『光まみれの蜂』(角川書店)『すみれそよぐ』(朔出版)、著書に『日めくり子規・漱石 俳句でめぐる365日』(愛媛新聞社/第34回愛媛県出版文化賞大賞)、エッセイ『もう泣かない電気毛布は裏切らない』(文春文庫)ジュニア向け『俳句部、はじめました』(岩波書店)、『女の俳句』(ふらんす堂)他。 日本経済新聞、信濃毎日新聞俳壇選者。現代俳句協会常務理事。

俳句会の会場について

東博庭園内『九条館』

昭和9年(1934)九条道秀氏より寄贈され、東京赤坂の九条公爵邸から移築されました。床張付等には狩野派による著色山水図が描かれており、これらは、もと京都御所内の九条邸にあったものです。欄間には花梨の一枚板に藤花菱が透彫されています。

実施のアウトライン

開催場所 [吟行]奥上野(上野公園北部エリア)※一部「根津」地区を含む
[俳句会]東京国立博物館庭園/九条館
日時 2024年9月7日(土)9:30 – 16:00
参加人数 25人
※応募者多数の場合は先着順となります。(募集定員に達し次第、募集を締め切らせていただきます。)
参加費 4,500円
全体のプログラム構成
(一日の概ねの流れ)
《9:30〜9:45ごろ》集合~本日のオリエンテーション
《9:45ごろ〜13:00》奥上野吟行+俳句会 第一部『奥上野吟行』
《13:00〜16:00》奥上野吟行+俳句会 第二部『奥上野俳句会』
応募方法 イベント情報・申し込みサイト「Peatix (ピーティックス)」の「奥上野吟行+俳句会」特設ページにアクセスしていただき、参加の申し込みを行っていただきます。
お申し込みはこちら↓

作句のテーマと「吟行」および「投句」について

作句のテーマと「吟行」および「投句」について

  • 作品は、「正岡子規とゆかりを持つ『10の場所』」をテーマとして作句していただきます。
  • そのために、吟行では以下に指定する10カ所の「テーマポイント」の中から、参加者の皆さまが興味があるなどの場所(テーマポイント)を選んで回遊していただきます。
    ※必ずしも10カ所のすべてを訪れる必要はありません。(下記の「投句締め切り時刻」までに投句していただける等の範囲でテーマポイントを選択・回遊してください。)
  • 当日は、オリエンテーションを行ってから「奥上野吟行」に出発していただきます。
  • 吟行中に昼食・休憩等をお済ませの上、”13:00まで”に東京国立博物館・庭園の奥上野俳句会会場(九条館)へ集合してください。
  • 作品は、スマートフォンを使用しインターネットを通じて投句していただきます。
     (投句方法等の詳細は、奥上野吟行+俳句会への参加が決定した皆さまにお知らせいたします。)
  • 投句は、12:00を締め切り時刻といたします。
    ※12:00以前であれば、吟行の途中に「いつ」「どこから」投句していただいてもかまいません。
    ※投句していただく作品数は、「3点」とさせていただきます。(投句点数は厳守ください)

奥上野吟行回遊テーマポイントのご紹介

子規庵
(東京都台東区根岸2-5-11)

明治27年に正岡子規はこの場所に移り住み、その生涯を閉じるまで多くの句会や歌会を催しました。子規庵の句会には、夏目漱石や森鷗外と言った文豪をはじめ、近代日本の様々な文人が参加しています。
現在の子規庵は終戦後に復元されたもので、東京都指定史跡となっています。

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五條天神社
(東京都台東区上野公園4-1-7)

五條天神社は、江戸三大天神の一つです。
初天神(正月二十五日)の際、「鷽替えの神事」が行われます。「鷽(うそ)」は天神様ゆかりの鳥であり、新旧のうそを交換することで、前年にあった凶事を本年は吉になるよう祈願する神事です。
正岡子規の「はて知らずの記」に出てくる句の碑が、境内の中にあります。

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東博北門
(東京都台東区上野公園13-9)

近代日本の文豪・森鴎外は、晩年、東京国立博物館の前身である帝室博物館の総長の職にありました。
この北門は、鴎外が総長の頃、東博への出退勤で出入りするのに使用されていました。鴎外が庭園を楽しみながらオフィスに通っていた姿に想いを馳せてみたくなる場所です。

正岡子規記念球場
(東京都台東区上野公園5-20)

野球という日本語訳を発明したと言われているほどBaseballを愛した正岡子規は、上野公園の博物館横で、仲間たちとよく野球に興じていたそうです。人生の様々なシーンで上野とのつながりが深かった子規にちなみ、この野球場に名を残すことになりました。野球場の横には、野球を詠んだ子規の句碑が置かれています。

鶯谷駅南口
(東京都台東区上野桜木1-4-1)

鶯谷駅は明治45(1912)年に開業し、南口は昭和初期に線路の上空に建てられました。鶯谷駅周辺は江戸時代から多くの文化人が居を構えた地域であり、正岡子規もここから名作とともに多くの才能を世に送り出しました。
鶯谷駅は、まさに現代俳句芽生えの地への入口とも言えるのです。

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国立国会図書館国際子ども図書館
(東京都台東区上野公園12-49)

国際子ども図書館は、国内外の児童書と
その関連資料に関する図書館サービスと行う国立の児童書専門図書館です。
明治39(1906)年に帝国図書館として建築されたルネサンス様式の建物(レンガ棟)も見どころです。ここには、夏目漱石や森鷗外、幸田露伴、島崎藤村、芥川龍之介、宮沢賢治など多くの文人が足しげく通ったと言われています。

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寛永寺
(東京都台東区上野桜木1-14-11)

江戸城の鬼門(北東)にあたる上野に建立された徳川将軍家の祈祷寺。のちに4代将軍家綱公が埋葬されたことにより菩提寺にもなり、現在では6人の将軍が眠っています。
来年(2025年)寛永寺は創建400周年を迎えます。
寛永寺創建400周年記念事業

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寛永寺 開山堂(両大師)
(東京都台東区上野公園14-5)

開山堂は、東叡山の開山である慈眼大師天海大僧正をお祀りしているお堂です。天海僧正が尊崇していた慈惠大師良源大僧正もお祀りしているところから、一般に〝両大師〟と呼ばれ、庶民に親しまれ信仰されてきました。

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藝大ヘッジ
(東京都台東区上野公園12-8)

藝大ヘッジは、キャンパスの環境を改善する「藝大の森」プロジェクトの一環として展開されています。キャンパス内外を区切る老朽化した鉄柵を武蔵野の植生を再現した生垣に転換していくことで、大学の内と外(街)が緩やかにつながる「際=Hedge」をデザインしています。

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旧博物館動物園駅
(東京都台東区上野公園13-23)

京成電鉄の旧博物館動物園駅は、昭和8(1933)年に開業し平成9(1997)年に廃止となりましたが、平成30(2018)年に東京都選定歴史的建造物に指定されました。旧駅舎は、上野公園の北西の角に位置し、奥上野エリアとの境界に建つランドマークとして、現在も人々の目を惹きつけ続けています。

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奥上野「俳句会」について

俳句会は、以下のプログラムで進行します。(以下は、概ねの時間割です)

《13:00-13:25》席主(神野紗希さん)講話
神野紗希席主が正岡子規へのオマージュを基調とするお話となります。
神野紗希さんは、正岡子規が学んだ旧制松山中学の後身である愛媛県立松山東高等学校の出身で、
子規の同窓の後輩になります。

《13:25-13:55》投稿句の選句
参加者が投句した計75句の中から、参加者一人ひとりに「特選1句」「並選2句」を選句していただきます。(多くの特選票を獲得した句の作者には、“お楽しみのギフト”を贈呈します。)

《13:55-14:15》披講
参加者が、選句した3句(特選1句、並選2句)を読み上げて披露します。

《14:15-15:45》合評と名乗り
選句した参加者が、「特選として選んだ句」について、理由等の評を端的に語っていただきます。原則として、選者が合評するのは特選句のみとします。
合評された句(選者の特選句)の作者は、そこで名乗りでて本句について端的に説明します。

《15:45-16:00》総評
神野紗希席主により、本日の俳句会の関わる諸事全般の講評を行います。

奥上野吟行+俳句会の参加方法について

「Peatix(ピーティックス)」のサイトから受け付けております。

お申し込みはこちら

  • 上記の申し込みサイトにアクセスしていただき、参加費の決済手続きが完了したところで正式な申し込みとなります。
  • 本「奥上野吟行+俳句会」は、定員が25名となっております。参加枠は申し込み順に割り当ててまいります。(参加枠が埋まった時点で受付が終了となります。)
  • 本句会は、スマートフォンからインターネットを利用して投句するオンライン投句の仕組みで運営いたします。
    ※投句方法等の詳細は、奥上野吟行+俳句会への参加が決定した皆さまにお知らせいたします。
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