国立西洋美術館(東京・上野公園)では6月11日(日)まで 「憧憬の地 ブルターニュ ―モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷」展が開かれています。
フランス北西部、大西洋に突き出た半島を核とするブルターニュ地方は、古来より特異な歴史文化を紡いできたところ。断崖の連なる海岸や岩が覆う荒野、内陸部の深い森をはじめとする豊かな自然、各地に残された古代の巨石遺構や中近世のキリスト教モニュメント、そして素朴で信心深い生活様式――このフランスの内なる「異郷」は、ロマン主義の時代を迎えると芸術家たちの注目を集め、美術の領域でも新たな画題を求める者たちがブルターニュを目指します。以来この地は流派や国籍を問わず幅広い画家を受け入れることとなり、19世紀末にはポール・ゴーガンを取りまくポン=タヴェン派やナビ派といった美術史上重要な画家グループの誕生を促しました。
同展は、とりわけ多くの画家たちがブルターニュに惹きつけられた19世紀後半から20世紀はじめに着目し、この地の風景や風俗、歴史をモティーフとした作品を一堂に展覧することで、それぞれの画家たちがこの「異郷」になにを求め、見出したのかを探ります。また、フランスを中心とする西洋画家のみならず、明治後期および大正期にかけて渡仏し、ブルターニュにまで足を延ばした日本出身画家たちの足跡と作品にも光をあてる、これまでにない試み。美術史に大きな影響を与えてきたブルターニュの各地を画家たちと一緒に旅してみませんか。
見どころ
- その1: 西洋だけでなく日本の近代画家たちが捉えた「ブルターニュ」も併せて紹介
- その2: 30か所を超える国内の所蔵先と海外美術館2館から珠玉の作品約160点を一同に展示
- その3: ブルターニュの名を美術史に刻印した画家、ゴーガンの作品12点が集結
詳細は同館ウェブサイトでご確認ください。
https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2023bretagne.html