漆といえば、素人が簡単に手を出せるものではない工芸の一つ。そのハードルを下げるべく、現代のデジタル技術と各人の感性を融合させたオリジナル乾漆作品を1日で完成させてしまうという、ユニークな企画が1月24日に東京藝大で行われました。一般向けでは日本でも初めての試み。参加者の皆さんは新旧のテクノロジーの融合によって完成していく漆作品にすっかり魅了されている様子でした。

教授や作家たちによる細やかでわかりやすい指導を受けてから手仕事体験

講師は藝大美術学部建築学科の金田教授、そしてこの日のために駆け付けてくれた宮城大学事業構想学群の土岐教授、さらには若手漆作家や藝大生が参加者ひとりひとりをサポートしてくれるという超スペシャルな講座となりました。

制作を始めるにあたっては、事前に東京国立博物館の福島研究員らによる特別漆学講座&展示鑑賞ツアーも開催されるなど本格的な学びの時間も設けられました。お昼は公園内の老舗「伊豆榮」で漆づくしのランチタイムもあり、上野公園と伊豆榮の歴史に改めて老舗の心意気を感じた様子。一日という短い時間とはいえ、上野の杜ならではの学びのスタイルで漆の奥深い世界を体験する機会となりました。

オリジナル作品は金田研究室のメンバーによる手づくり木箱に収まって、お持ちかえり♪