国立科学博物館では、生命誕生以来40億年の間に地球で起きた5回の大量絶滅(ビッグファイブ)を古生物の化石などから紐解き、生命進化の歴史を辿る「大絶滅展―生命史のビッグファイブ」が開催されています。「ビッグファイブ」をテーマとする特別展は、国立科学博物館では初めて。各種の古生物や火山、古気候・古海洋などを専門とする国立科学博物館の研究者10名による監修で、様々な角度から5回の大量絶滅の謎に迫ります。
2026年2月23日(月・祝)まで。

生命が誕生してから40億年、地球上では幾度も生命の危機が訪れました。それは主に地球外からやってきた小惑星の衝突や火山などの地球内部の活動によりもたらされましたが、ときに生命活動そのものが引き金になったこともあります。しかし生命は、その都度、したたかにそれらの危機を乗り越え、絶滅したグループに代わるグループが新たに繁栄することを繰り返すことで、多様に進化を遂げてきました。
言わば、大量絶滅は生命の繁栄を促した現象だと捉えることもできるのです。
同展では、その中でも規模の大きかった5回の「大量絶滅」事変(通称「ビッグファイブ」)を、化石や岩石に残された様々な証拠から紐解き、「生き物たち」の生存をかけた進化の歴史を辿ります。

アノマロカリス(レプリカ)

会場ではまず大きな地球儀「大絶滅スフィア」がお出迎え。球形の映像展示で、地球史における「ビッグファイブ」をご紹介します。また、史上最大の絶滅の要因でもある火山活動を体感できる模型も展示されています。
今回の見どころの一つは、全米有数の自然史博物館の一つであるデンバー自然科学博物館から来日している日本初公開の貴重な標本の数々。さらに、日本からは全長約6mの世界最古のステラーダイカイギュウの全身化石を世界初公開するなど、「ビッグファイブ」や生命史を紐解く貴重な標本が多数紹介されています。

レドンダサウルス(レプリカ)

クリオロフォサウルス(レプリカ)

また今展のために大量絶滅と関連の深いモロッコにおいて発掘調査を実施。オルドビス紀末の絶滅前の世界を垣間見ることができる「フェゾウアタ化石群」の化石や、デボン紀の大型の板皮類ダンクルオステウスなどの発掘、三畳紀末の絶滅に関わる火山活動の調査など世界初公開の調査結果をはじめ、本邦初公開となる標本・情報が満載です。ぜひ、ご期待ください。

モロッコ発掘調査

今展では福山雅治(俳優/ミュージシャン)がスペシャルナビゲーターとして展示映像(一部)のナレーションや音声ガイドを通して、大量絶滅をめぐる生命進化の軌跡を案内しています。第二会場では福山氏がこれまで番組「ホットスポット」で訪れた世界各地で、自身が撮影した絶滅の危機に瀕している動物たちの写真を展示して話題を呼んでいます。

https://daizetsumetsu.jp