ゴッホの作品と価値を後世に伝えた家族の歴史を紹介する「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」が東京都美術館(台東区上野公園)で始まっています。
ファン・ゴッホ家が受け継いできたファミリー・コレクションに焦点を当てた展覧会は日本では初めて。現在のファン・ゴッホ美術館の活動も紹介しながら、本展をとおして、家族の受け継いできた画家の作品と夢を、さらに後世へと伝えていく展覧会となっています。

フィンセント・ファン・ゴッホ《女性の顔》 1885年4月 油彩、カンヴァス 43.2×30cm ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム(フィンセント・ファン・ゴッホ財団) Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)

フィンセント・ファン・ゴッホ 《種まく人》 1888年11月 油彩、カンヴァス 32.5×40.3cm ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム(フィンセント・ファン・ゴッホ財団) Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)
ゴッホの画業を支え、その大部分の作品を保管していた弟テオは兄の死の半年後に生涯を閉じますが、その後テオの妻ヨーが膨大なコレクションを管理に尽力し、義兄の作品を世に出すことに人生を捧げ、作品を展覧会に貸し出し、販売し、膨大な手紙を整理して出版するなど、画家として正しく評価されるよう奔走しました。テオとヨーの息子フィンセント・ウィレムは、コレクションを散逸させないためにフィンセント・ファン・ゴッホ財団を設立し、美術館の開館に尽力します。人びとの心を癒す絵画に憧れ、100年後の人びとにも自らの絵が見られることを期待した画家の夢は家族がつなぐことによって、数々の作品とともに今日まで引き継がれてきました。
本展では、ゴッホ美術館の作品を中心とした75点が展示されています。ゴッホの作品30点以上に加え、日本初公開となる先輩画家に宛てたオランダ時代の手紙4通を展示。ゴッホの手紙が展示されることはめったになく、今回の出品は極めて貴重な機会となります。

フィンセント・ファン・ゴッホ 《オリーブ園》 1889年11月 油彩、カンヴァス 73.2×92.2cm ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム(フィンセント・ファン・ゴッホ財団) Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)

「傘を持つ老人の後ろ姿が描かれたアントン・ファン・ラッパルト宛ての手紙」 1882年9月23日頃 ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム(フィンセント・ファン・ゴッホ財団) Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation) (purchased with support from the Mondriaan Fund, the Ministry of Education, Culture and Science, the VSBfonds and the Cultuurfonds)
会場では「イマーシブ(没入)」体験ができる幅14メートルの大規模空間での映像上映も実施されています。
ここ数年、世界中でゴッホの作品を題材にした没入体感型デジタルアート、いわゆるイマーシブアートが人気を呼んでおり、今回は特に若い世代が新たにゴッホに興味をもつ機会となっています。ゴッホは、「100年後を生きる人々にも自分の絵を観てもらいたい」と願っていたと言われています。イマーシブアートによって、彼の夢が、また新たな形で実現し、未来へと受け継がれていくことでしょう。
巨大モニターで《花咲くアーモンドの木の枝》など、ファン·ゴッホ美術館の代表作を高精細画像で投影するほか、3Dスキャンを行ってCGにした《ひまわり》(SOMPO美術館蔵)の映像も紹介します。絵画の中に没入することで、ゴッホの筆づかいや絵具の使い方など通常の鑑賞では気付きづらい新たな発見をお楽しみください。
12月21日(日)まで。
土日、祝日および12月16日(火)以降は日時指定予約制。当日空きがあれば入場可。
※12月12日(金)までの平日にご来場の場合は日時指定予約は不要。