国立科学博物館では10 月13 日(月・祝)まで、特別展 「氷河期展 ∼人類が見た4 万年前の世界∼」が開催されています。現代よりもはるかに寒冷だった氷河期は、人類や、マンモスなどの巨大な動物たちが共に生きていた時代です。彼らの中には、絶滅したものもいれば、生き残ったものもいます。
展覧会では、パリ国立自然史博物館(フランス)からやってきた日本初公開となるネアンデルタール人とクロマニョン人の実物の頭骨をはじめ、ライス・エンゲルホルン博物館(ドイツ)が所蔵するヨーロッパの絶滅動物の骨格標本や生体復元模型、さらに日本各地の考古資料の展示などを通じて、この時代を生きた動物たちや人類についてを解説、そしてその命運を分けた氷河期の謎に迫ります。10 月13 日(月・祝)まで。

ステップバイソン(生体復元模型)  ライス・エンゲルホルン博物館所蔵

ケナガマンモス(生体復元模型)  ライス・エンゲルホルン博物館所蔵

第1章 氷河期 ヨーロッパの動物
氷河期のヨーロッパ北部は氷床に覆われ、中央部に乾燥した草原地帯が広がり、「氷河期のメガファウナ(巨大動物群)」と呼ばれる大型の動物たちが君臨していました。過酷な環境を生きた巨大動物とは一体どんな生物だったのでしょうか。そして、彼らの中で何が絶滅して、何が現代まで生き残ったのでしょうか。

第2章 ネアンデルタール人とクロマニョン人
氷河期を生きたネアンデルタール人とクロマニョン人(ホモ・サピエンス)。その実物の頭骨が日本初上陸します。ネアンデルタール人はがっしりした体格と強靭な筋肉を持っていたのに対し、クロマニョン人は比較的ほっそりした体格に長い手足を持っていました。同じ時代を生きていた両者。しかし4万年前までにネアンデルタール人は姿を消します。一体何が両者の命運を分けたのでしょうか。

ラ・フェラシー1号(ネアンデルタール人) © MNHN  パリ国立自然史博物館

クロマニョン1号(クロマニョン人)© MNHN – JCDomenech         パリ国立自然史博物館

第3章 氷河期の日本列島
南北に長く、多様な環境が広がっている日本列島。人類は最終氷期、約3万8千年前までには日本にわたってきたと考えられています。当時を生きた日本三大絶減動物(ナウマンゾウ、ヤベオオツノジカ、ハナイズミモリウシ)などの動物たち、そして氷河期の日本列島での人類の暮らしはどのようなものだったのでしょうか。

連日の猛暑の折、国立科学博物館の4億年前の氷河期にぜひタイムスリップしにいらしてください。

【会場】国立科学博物館(東京・上野公園)
【お問い合わせ】 050-5541-8600(ハローダイヤル)03-5814-9898(FAX)