
重要文化財《鳴鶴図》 文正筆 中国・元-明時代 14-15世紀相国寺蔵 前期展示/3月29日(土)~4月27日(日)展示
東京藝術大学大学美術館では、室町時代の水墨画の巨匠・雪舟、江戸中期の同時代に活躍した円山応挙と伊藤若冲をはじめ、相国寺に縁の深い画家たちの作品、国宝・重要文化財40点以上を含む160点近くが一堂に会する『相国寺展―金閣・銀閣 鳳凰が見つめた美の歴史』が開催されています。
相国寺は、室町幕府三代将軍・足利義満(1358~1408)が永徳2年(1382)に発願し、京五山禅林の最大門派であった夢窓派の祖・夢窓疎石(1275~1351)を勧請開山に迎え、高弟の春屋妙葩(1311~1388)を実質的な開山とし創建された禅宗の古刹です。今も京都の地、御所の北側にその大寺の姿を誇り、金閣寺、銀閣寺の通称で名高い鹿苑寺、慈照寺を擁する臨済宗相国寺派の大本山です。創建から640年あまりの歴史を持つ相国寺は、時代を通じ、数々の芸術家を育て、名作の誕生を導いてきました。室町幕府の御用絵師とされる相国寺の画僧・如拙と周文。室町水墨画の巨匠と称される雪舟。 江戸時代の相国寺文化に深く関わった狩野探幽。そして、奇想の画家・伊藤若冲、原在中、円山応挙…。
中世に規範を得た相国寺文化圏の美の営みは、近世、近代、現代へと時を繋ぎ、相国寺、鹿苑寺、慈照寺が所有する美術品は相国寺境内にある承天閣美術館で公開されてきました。今回の展覧会は、相国寺承天閣美術館開館40周年を機に開催されるもの。 国宝・重要文化財40件以上を含む相国寺派の名品を中心に紹介し、相国寺の美の世界をみつめ、未来へ託す展覧会です。

重要文化財《鹿苑寺大書院障壁画 一之間 葡萄小禽図》 伊藤若冲筆 江戸時代 宝暦9年(1759) 鹿苑寺蔵

国宝《玳玻盞散花文天目茶碗》 吉州窯 中国・南宋時代 12-13世紀 相国寺蔵 前期展示/3月29日(土)~4月27日(日)展示
東京展のみどころは、国宝・重要文化財 40 件以上を含む相国寺派の名品が一堂に集まっているところにあります。
中世の相国寺文化圏を代表するビッグネーム・雪舟、近世の相国寺文化に賑わいを添えた若冲をはじめとして、室町から現代にいたるまで相国寺文化圏が生み出してきた美の歴史を、名品にまつわる物語とともにひもときます。
相国寺の高僧による支えなくしてはありえなかった、奇想の画家・伊藤若冲が鹿苑寺(金閣寺)の大書院に描いた障壁画を中心に、相国寺派に伝わる若冲作品の数々。そして、天目茶碗の名品として名高い国宝《 玳玻盞散花文天目茶碗》、琳派の祖・俵屋宗達筆と伝わる重要文化財《蔦の細道図屏風》、近世京都画壇を代表する円山応挙の重要文化財《七難七福図巻》、同《大瀑布図》など、近年相国寺の美の歴史に加わった華やかな名品の数々も紹介されています。

重要文化財《七難七福図巻》のうち天災巻(部分) 円山応挙筆 江戸時代 明和5年(1768) 相国寺蔵 会期中、部分巻替え
本展の音声ガイドナビゲーターは大河ドラマ『麒麟がくる』で室町幕府13代将軍の足利義輝を演じた俳優の向井理さん。義輝の菩提寺が相国寺という縁から、今回、音声ガイドナビゲーターを担当されています。「鑑賞する方の横に立ってささやくようなガイドになるよう心がけた」という向井さんナビゲートの音声ガイドもお楽しみに!
前期3月29日(土)~4月27日(日),後期4月29日(火・祝)~5月25日(日)まで
展覧会公式サイト: https://shokokuji.exhn.jp
展覧会公式X : @shokokuji_exhn
展覧会公式Instagram : shokokuji_exhn