東京藝術大学美術学部デザイン科で23年にわたり教鞭を執ってきた清水泰博氏の退任記念展が、東京芸術大学大学美術館 陳列館で16日より開催されています。清水氏は、長年にわたりプロダクトや家具から都市まで、様々なスケールの「場所」のデザインを手掛けてきました。本展では、これまでに清水氏が手掛けた作品から100点余りが、陳列館において「構想(1F)」と「実践(2F)」に分けて展示されています。
「構想」部のサブタイトルは「都市の庭〜私が夢見た都市」とし、主に清水氏が30代の頃(1980年代後半から1990年代)に提案してきた、比較的大規模な都市構想などが紹介されています。当時「感性に働きかける空間」をテーマとして構想していた都市空間のデザインです。当時の清水氏がそれぞれの場所を見て、何を考えたのかをご覧ください。
「実践」部のサブタイトルは「12のコンセプトとその実例」とし、都市から家具までのデザインが、改めて”12のPlace Designのテーマ”に分けて紹介されています。それぞれのテーマに様々なスケールのデザインが含まれますが、多様なスケールを対象にするPlace Design(環境デザイン)ならではの横断的な視点を紹介するものです。
12月1日(日)まで。

水戸市 西の谷構想(都市の樹海)

御母衣ダムサイドパーク

出雲市 神西湖東岸計画「植物都市」

藝大アーツ・イン・東京丸の内2010

清水泰博氏 プロフィール
1957年生まれ、京都府出身。 81年早稲田大学理工学部建築学科卒業。 83年東京藝術大学大学院美術研究科修了。黒川雅之建築設計事務所を経てSESTA DESIGNを設立。 2002年東京藝術大学助教授就任、2010年よリ教授。現在は理事兼副学長(研究担当)も務める.ー級建築士。主な作品は「御母衣ダムサイドパーク(御母衣電力館)」(岐阜県)、「月見橋」(静岡県)、「平和の交響」(兵庫県)など.環境芸術大賞受賞(1991、95)ほか受賞多数。著書に『景観を歩く京都ガイド」『京都の空間意匠』など。