国立西洋美術館では、印象派を代表する画家、クロード・モネ(1840-1926)晩年の制作に焦点をあてた「モネ 睡蓮のとき」が開催されています。
パリで開かれた第1 回印象派展から150 年となる、記念すべき年に開催される本展では、世界最大級のモネ・コレクションを誇るパリのマルモッタン・モネ美術館より、日本初公開作品を含む、厳選されたおよそ50 点が来日しています。さらに、日本国内に所蔵される作品も加え、“ 印象派を超えた” モネの芸術の豊かな展
開をたどります。
モネが40 歳を過ぎて移り住んだ、ジヴェルニーの終の棲家。そこで生み出されたのは、自らが丹精込めて造った庭を描いた作品の数々でした。
なかでも彼がその後半生を捧げることになるのが、睡蓮の花咲く池であり、最期まで追求し続けたのが、〈睡蓮〉の大画面の絵画に囲まれる展示空間です。
本展では、このテーマが取り上げられた最初期の貴重な作例から、見るものを没入体験へといざなう大画面にいたるまで、〈睡蓮〉の奥深い世界をご紹介されるとともに、モネ晩年の制作の核心に迫ります。画家がその長い道のりの果てにたどり着いた境地を、ぜひ会場でご堪能ください。

クロード・モネ《睡蓮》 1916-1919年頃  油彩/カンヴァス 150×197 cm マルモッタン・モネ美術館、パリ © musée Marmottan Monet

クロード・モネ《睡蓮》 1914-1917年頃 油彩/カンヴァス 130×150 cm マルモッタン・モネ美術館、パリ © musée Marmottan Monet

印象派を代表する画家のひとりであるクロード・モネ(1840-1926)は、一瞬の光をとらえる鋭敏な眼によって、自然の移ろいを画布にとどめました。
しかし後年になるにつれ、その芸術はより抽象的かつ内的なイメージへと変容してゆきます。
モネの晩年は、最愛の家族の死や自身の眼の病、第一次世界大戦といった多くの困難に直面した時代でもありました。
そのような中で彼の最たる創造の源となったのが、ジヴェルニーの自邸の庭に造られた睡蓮の池に、周囲の木々や空、光が一体となって映し出されるその水面でした。
そして、この主題を描いた巨大なカンヴァスによって部屋の壁面を覆いつくす“ 大装飾画” の構想が、最期のときにいたるまでモネの心を占めることになります。本展の中心となるのは、この試行錯誤の過程で生み出された、大画面の〈睡蓮〉の数々です。
このたび、パリのマルモッタン・モネ美術館より、日本初公開となる重要作を多数含むおよそ50 点が来日。
さらに日本各地に所蔵される作品も加え、モネ晩年の芸術の極致を紹介します。会場では2メートルを超える大画面の〈睡蓮〉に囲まれて、モネの世界に浸る、本物の没入体験もできます。
日本では過去最大規模の〈睡蓮〉が集う貴重な機会をぜひお見逃しなく。

クロード・モネ《キスゲ》 1914-1917年頃 油彩/カンヴァス 150×140.5 cm マルモッタン・モネ美術館、パリ © musée Marmottan Monet

クロード・モネ《睡蓮》 1907年  油彩/カンヴァス 100×73 cm マルモッタン・モネ美術館、パリ © musée Marmottan Monet

2025年2月11日[火・祝]まで。
同展は、このあと京都市京セラ美術館、豊田市美術館において巡回されます。

展覧会公式サイト|https://www. ntv. co. jp/monet2024/ 
X|@monet 2024_jp 
Instagram|monet 2024_jp
お問い合わせ|050-5541-8600(ハローダイヤル)