京都北郊の紅葉の名所、高雄の神護寺は、和気清麻呂(わけのきよまろ)が建立した高雄山寺を起源とします。唐から帰国した空海が活動の拠点としたことから真言密教の出発点となりました。今回の展覧会は824年に正式に密教寺院となった神護寺創建1200年と空海生誕1250年を記念して開催されます。寺外での公開は神護寺史上初めてとなる平安初期彫刻の最高傑作である国宝「薬師如来立像」や、約230年ぶりの修復を終えた国宝「両界曼荼羅(高雄曼荼羅)」など、空海ゆかりの宝物をはじめ、神護寺に受け継がれる貴重な文化財をぜひご堪能ください。
《空海の寺、神護寺。真言密教の源流1200年の至宝集結》
唐で体系的な密教を学んだ空海は、その成果をもとに真言密教を打ち立てました。密教では教義の世界観を示す曼荼羅や儀式で使う法具など、数多くの美術工芸品が生み出されました。会場では、空海の生きた時代に制作された、彫刻・絵画・工芸の傑作をはじめ、国宝17件、重要文化財44件を含む密教美術の名品など約100件を展示します。
《寺外初公開、本尊の国宝「薬師如来立像」》
神護寺の前身寺院にまつられていたのが本尊「薬師如来立像」です。量感あふれる造形、威厳あふれる表情は、独特の迫力を生み出し、平安初期彫刻の最高傑作といえます。本展は寺外で本尊の荘厳さにふれていただく、神護寺史上初の機会です。
《約230年ぶりの修理、国宝「両界曼荼羅(高雄曼荼羅)》
金剛界と胎蔵界、密教のふたつの世界観を図示したのが両界曼荼羅です。高雄山神護寺に伝わったため、「高雄曼荼羅」と呼ばれる本作品は、4メートル四方の大きさを誇る、空海在世時に制作された現存最古の両界曼荼羅です。江戸時代以来、およそ230年ぶりに修理された姿をご覧いただきます。
《現存最古の「五大虚空蔵菩薩坐像」が勢揃い》
空海の後を継いだ真済の代に安置された国宝「五大虚空蔵菩薩坐像」は、日本でつくられた作例のうち、五体が揃う現存最古のもの。仁明天皇御願とされ、鎮護国家が願われました。品の良い顔立ちと均整の取れた造形は、当時最高の技術を持った工人によって制作されました。寺外で五体揃って公開されるのは初めてのことです。
※今回の展覧会は、前期と後期に分かれ、前期は8月12日(日・休)まで。後期は8月14日(水)~9月8日(日)となります。作品によっては前期のみ後期のみの展示になりなすので、ご確認の上ご来場ください。
お問合せ 050-5541-8600(ハローダイヤル)
展覧会公式サイト https://tsumugu.yomiuri.co.jp/jingoji/