20世紀前半までの西洋美術作品を収蔵・展示してきた国立西洋美術館。
企画展「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?──国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ」は、1959年の開館以来初めての試みとなる、現代アーティストとの大々的なコラボレーションによる展覧会です。

小沢剛《帰ってきたペインターF ─ Painter F Song》2015年、ビデオ、12分8秒、森美術館

同館の母体となった松方コレクションを築いた松方幸次郎は、日本の若い画家たちに本物の西洋美術を見せるため、膨大な数の美術品を収集しました。開館から65年が経ち、館設立の原点を見つめ直し、館の未来を思い描くなかで生まれた問いかけ──。
 「国立西洋美術館の展示室は、未来のアーティストたちが生まれ育つ空間となりえてきたか?」
それは、同館の自問であると同時に、参加アーティストたちへの問いかけです。そして、展示室を訪れる鑑賞者とともに考えていく問いかけにほかなりません。
展覧会では、国内外で活躍する現代アーティストたちが同館所蔵作品からインスピレーションを得て制作した新作や、美術館という場所の意義を問い直す作品などを通して、アーティストたちが国立西洋美術館やそのコレクションにどう眼差しを向け、どのような問題を提起しているかを鑑賞していきます。
また、モネ、セザンヌ、ポロックら西洋美術史に名を刻むアーティストたちの作品約70点も展示。過去に生みだされた作品と、現代に制作された作品の対話を通じて、同館の新たな可能性を探ります。
現代の、また未来のアートシーンを知るうえでも必見の画期的な展覧会です。

竹村京《修復されたC.M.の1916年の睡蓮》(部分,制作過程)

竹村京《修復されたC.M.の1916年の睡蓮》(部分、制作過程)2023-24年、釡糸、絹オーガンジー、カラープリント、作家蔵

クロード・モネ 《睡蓮、柳の反映》1916年 油彩、カンヴァス 国立西洋美術館 松方幸次郎氏御遺族より寄贈(旧松方コレクション)

本展出品アーティスト(五十音順)
飯山由貴、梅津庸一、遠藤麻衣、小沢剛、小田原のどか、坂本夏子、杉戸洋、鷹野隆大、竹村京、田中功起、辰野登恵子、エレナ・トゥタッチコワ、内藤礼、中林忠良、長島有里枝、パープルーム(梅津庸一+安藤裕美+續橋仁子+星川あさこ+わきもとさき)、布施琳太郎、松浦寿夫、ミヤギフトシ、ユアサエボシ、弓指寛治

 3月12日(火)~5月12日(日)まで。
詳細は以下をご確認ください。
https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2023revisiting.html