千年を超えて描き継がれた「やまと絵」を名品の数々で振り返る特別展「やまと絵 -受け継がれる王朝の美-」が東京国立博物館 で12月3日(日)まで開催されています。

重要文化財 浜松図屛風 室町時代・15~16世紀 東京国立博物館蔵

平安時代前期に成立したやまと絵は、さまざまな変化を遂げながら連綿と描き継がれてきました。
優美、繊細といったイメージで語られることの多いやまと絵ですが、それぞれの時代の最先端のモードを貪欲に取り込み、人びとを驚かせ続けてきた、極めて開明的で野心的な主題でもありました。伝統の継承、そして革新。常に新たな創造を志向する美的な営みこそが、やまと絵の本質と言うことができるでしょう。
本展は千年を超す歳月のなか、王朝美の精華を受け継ぎながらも、常に革新的であり続けてきたやまと絵を、特に平安時代から室町時代の優品を精選し紹介いたします。
総件数245件の7割超が国宝、重要文化財で、教科書や美術全集などでおなじみの作品が一堂に集結しています。これら「日本美術の教科書」と呼ぶに相応しい豪華な作品の数々により、やまと絵の壮大、かつ華麗な歴史を総覧し、振り返ります。この秋、必見の展覧会です。

(左隻、部分)                                (右隻、部分)                             重要文化財 浜松図屛風 室町時代・15~16世紀 東京国立博物館蔵

日本絵巻史上最高傑作として名高い「四大絵巻」( 国宝《源氏物語絵巻》、国宝《信貴山縁起絵巻》、国宝《伴大納言絵巻》、国宝《鳥獣戯画》)が30年ぶりに集結(10月11日~22日)するほか、「神護寺三像」(国宝《伝 源頼朝像》、国宝《伝 平重盛像》、国宝《伝 藤原光能像》)、「三大装飾経」と称される国宝《久能寺経》、国宝《平家納経》、国宝《慈光寺経》などの国宝や、”究極のやまと絵”とイチオシの《浜松図屛風》(重要文化財、東京国立博物館蔵)など、展示される245件のうち7割強が国宝(53件)や重要文化財(128件)という豪華な展示内容になります。

チケット情報などの詳細は以下まで。
https://yamatoe2023.jp
お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)

 

また、この展覧会の開催に合わせ、仏画にみられる山水表現に注目した展示が行われています。仏画に描かれた山水はやまと絵の展開を考える上でも示唆に富み、厳かな仏の姿と美しい自然が融合した画面は、鑑賞者を仏の世界に誘います。模本も活用しながら、その具体例も紹介されます。
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