国立科学博物館では、特別展「海 ー生命のみなもと ー」が開催されています。
今回の特別展「海 ー生命のみなもとー」は、2013年及び2017年に開催された特別展「深海」に続くもので、「海」の誕生から現在について、多様な生物や人と海の関わりを紹介し、さらには海との未来を考えていく内容です。
注目展示は、
・小惑星リュウグウの試料と「はやぶさ2」の模型を展示!
・超深海!最も深いところで生きる魚「スネイルフィッシュ」の標本
・超大型シアター「海のエレベーター」登場 等々
海で生まれ、進化し、海のめぐみとともに生きてきた生物の姿を知ることで、私たちが今後どのように海と関わっていけばいいのか、そのヒントも見つかるかもしれません。
この夏、上野の国立科学博物館で未知なる海を体験しませんか?

展覧会は大きく4つで構成されます。
第一章 海と生命のはじまり
始原的隕石から太陽系惑星に至る水の起源、地球史における海の誕生と進化、そこで育まれた現在の私たちにつながる初期生命の生態系について、最新の研究成果と標本を使って紹介されます。
第二章 海と生き物のつながり
日本列島周辺の海底を形作るプレート運動や火山活動などの活動的な地学現象、黒潮を含む海流が生み出す大規模な海洋循環を解説し、それらが生物の分布や多様性にどれほど影響し大きな広がりが生まれているのかを紹介されます。
第三章 海からのめぐみ
人類史における海とヒトの関わりは食料や貝殻を装飾品などとして利用することから始まりました。現代では海からのめぐみはさらに大きなものになっています。海運物流なしにはもはや人類の生活は成り立たちません。ここでは水産資源の利用にとどまらない様々な「海からのめぐみ」について人類史を通じて紹介されます。
第四章 海との共存、そして未来へ
海から様々なめぐみを享受してきた一方で、近年では、人間活動に伴う環境変化が、海でもあらゆる形で顕在化しています。水産資源の枯渇、海洋酸性化、貧酸素化、そして海洋プラスチック汚染…。海で進行するこれらの変化を紹介するとともに、科学技術や我々一人一人の行動変容で、持続可能な形で海を活用していく取り組みについて紹介します。

《ナガスクジラ上半身標本(展示イメージ)》

《ナガスクジラ上半身標本(展示イメージ)》

《3万年前の航海 徹底再現プロジェクトで使用された丸木舟》 所蔵:東京都立大学

《3万年前の航海 徹底再現プロジェクトで使用された丸木舟》 所蔵:東京都立大学

会場では、高さ約4.7mのナガスクジラの上半身標本の展示や、今年1月、大阪湾の淀川河口付近に迷い込んだマッコウクジラから採取された歯や胃の内容物の展示など、見どころが満載です。
公式ナビゲーターは学生時代に海洋生物を専攻し、現在は同志社大学助教でサイエンスコミュニケーションを研究している桝太一さんが務めます。

https://umiten2023.jp