フラメンコ、闘牛、ドン・キホーテ、イスラム建築・・・私たちが思い浮かべるスペインの「イメージ」です。これらは19世紀にこの国を訪れた旅行者たちによってつくられたものでした。こうしたイメージをかたちづくり、流通させた重要な媒体が、多くの枚数が刷られ簡単に持ち運びができた版画です。国立西洋美術館で4日から始まったこの企画展は、17世紀からゴヤ、ピカソ、ミロ、タピエスと受け継がれるスペイン版画の史的展開、及びドラクロワやマネら 19世紀イギリスやフランスの画家によるスペイン趣味の版画作品を中心に構成 。400年にわたる長い時間軸のなかで、版画によって、スペインの文化や美術に関する「イメージ」がどのように作られ、伝えられていったのかを探ります。
書籍や写真、ポスターなどを含む出品作は同館所蔵作品を核に全国約40箇所から借用、国内各地に所蔵されるスペイン版画の傑作が一堂に会する、史上初の機会です。ぜひ、お出かけください。
展覧会では、17世紀から20世紀のピカソ、ダリ、タピエスまで約400年間のスペイン版画の展開を作品約240点によって紹介されています。
展示構成は大きく以下6つに分かれています。(会期中一部作品の展示替えがあります)
・1章 黄金世紀への照射 : ドン・キホーテとベラスケス
・2章 スペインの「発見」
・3章 闘牛、生と死の祭典
・4章 19世紀カタルーニャにおける革新
・5章 ゴヤを超えて: 20世紀スペイン美術の水脈を探る
・6章 日本とスペイン: 20世紀スペイン版画の受容
また、昨年度同館が収蔵したスペイン人画家ホアキン・ソローリャの油彩《水飲み壺》も初公開されています。
併せて、ご鑑賞ください。
・9月3日(日)まで
https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2023spain.html