隕石、歯、髪の毛、紙、化石となった魚の骨ーこれらは国立西洋美術館に所蔵されている所蔵品の素材の名前ですが、それはいったいどんな作品でしょうか。答えは指輪です。

カメラが隠された指輪
国立西洋美術館
橋本コレクション
撮影:©上野則宏

《星型ダイヤモンドで装飾された金銀製リング:『星が浦』》
18世紀
国立西洋美術館 橋本コレクション 撮影:©上野則宏

国立西洋美術館は約870点にもおよぶ指輪を主とする宝飾品を所蔵しています。これらはすべて橋本貫志氏より2012年に同館に寄贈され、「橋本コレクション」と呼ばれています。

ダイヤモンドやルビーなどの宝石の数々、あるいはカルティエやブルガリといった名だたるメゾンは、ジュエリーの名にふさわしい橋本コレクションの華やかなアイテムの例ですが、冒頭にあげたような素材からなる風変わりな指輪もコレクションを特徴づける重要な顔ぶれです。⁠素材に限った話ではありません。時代も地域も形式も技法も、かたよることなくてんでばらばらに収集されているのです。この指輪の多様性こそが、橋本コレクションの稀有な特色です。

《カメラが隠された指輪》
1950年頃
国立西洋美術館 橋本コレクション 撮影:©上野則宏

《カメラが隠された指輪》
1950年頃
国立西洋美術館 橋本コレクション 撮影:©上野則宏

同展ではこの持ち味を生かすよう、種々雑多な作品を取り揃えています。街中でウィンドウショッピングをするかのように、展示室でぶらぶらしてください。きっとお気に入りの指輪に巡り合えるはずです。

会期 2023年3月18日(土)〜6月11日(日)
会場 国立西洋美術館 新館2階版画素描展示室
詳細は同館ウェブサイトでご確認ください。
https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/