メニュー

特集! 上野文化の杜

Special Topics

さらに“深化”した展示に注目
特別展「深海2017〜最深研究でせまる“生命”と“地球”〜」

2017.07.19

日本の海洋環境と
災害のメカニズムを知る

 

 日本列島周辺には8000mを超える海溝をはじめとした様々な深海環境が存在し、それぞれに特色のある深海生物が分布することがわかっています。また、深海生物相のなりたちは日本列島の成立の歴史とも深く関連しています。ここでは日本の周りの海と生物相の関わりについて、日本海と三陸沖の海域を中心に紹介しています。

 

 

 2011年3月の東日本大震災から6年が経ちました。深海調査研究船「かいれい」による地下構造探査、有人潜水調査船「しんかい6500」による深海底の地形探査、世界最大の科学掘削船「ちきゅう」による緊急断層掘削プロジェクトは、東北地方太平洋沖地震発生メカニズムの解明に向けて大きな成果を挙げています。第3章【深海と巨大災害】では、「ちきゅう」の船舶模型や掘削に用いるドリルパイプの実物、海底下深部から採取された世界初公開の地震断層などを展示し、最新の研究成果を分かりやすく紹介しています。

 

 

 資源を輸入に頼る日本において、レアメタルなど深海で採取できる資源についての期待は年々高まっています。第4章【深海と資源】ではマンガンノジュールやレアアース泥といった日本の海域で見つかる鉱物資源についての最新調査結果が報告されています。
 また高い水圧かつ暗闇の深海を調査するには、高性能の調査船や探査機の存在が欠かせません。第6章【深海を調査する機器】では、深海調査で活躍する機器実機・模型を一堂に展示し、日本が世界に誇る深海調査技術を紹介しています。有人潜水調査船「しんかい6500」の内部空間も紹介されています。

 

 

総合監修者特別インタビュー
国立科学博物館 動物研究部長・倉持利明博士

 

 前回の特別展「深海」は深海の世界の中でも入口に当たる内容で、ダイオウイカをはじめ深海生物を中心とした展示内容でしたが、今回は生物のみならず、海底の地層や災害との関係、資源といったように深海を多角的に捉えた最新研究の発表の場となっています。
 この数年の技術革新の結果、光の届かない暗闇の中でもライトなしで撮影できる機材の登場により、発光生物の撮影が可能になりました。この最新映像と共に深い海、浅い海を行き来する生物たちの実態や、捕食者から身を守るための被食者の行動など、深海生物の生態をより深く知っていただけたらと思っています。また、東日本大震災から6年が経過し、深海の調査から災害のメカニズムについても徐々に明らかになっています。日本は世界最大の科学掘削船「ちきゅう」による緊急断層掘削プロジェクトをはじめ、世界で類を見ない優れた深海調査技術を持っています。今回は生物だけでなく、海底地層や資源など深海にまつわる様々な研究に触れていただきたいと思います。
前へ 次へ

1 2 3 4