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特集! 上野文化の杜

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「バベルの塔」展内覧会レポート

2017.04.30

ボイマンス美術館では1500~1580年の作品を時系列に飾っている美術館でて、今回の展示ではオランダ人が日本に到着する100年前の作品が展示してあります。今回の目玉であるブリューゲルの『バベル』は想像力の賜物であり、ファンタジーでもあり、ストーリーでもあり、そして、知識でもあります。ローマのコロッセウムからもモチーフを取り、ブリューゲル自身、自分はスキルに満ちた知識人であると訴えかけています。

彼は細部を細かく描く知識もありました。このストーリーは聖書の中の話ですが、船や海が描かれているのは、これがネーデルラントを描いていることの表れでもあります。北海に近いアントワープの風景だったのではないかという説もあります。農民が小さく描かれ、太陽が注ぐ夏の日だと推測されます。それと同時に約500メートルの高さの建物が描かれている。この作品は後世にとても影響力を持った作品です。

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詳しく見てみましょう。この建物を作る石はどこから来たのか?赤レンガと、下の階は色が違います。それは、膨大な石が色々な地域から来ている証拠です。これは事実であり、フィクションであり、高度に洗練されたストーリーをも描き切っています。16世紀の人々の生活も分かります。

80年前であれば作家の名前を書くことはできませんでしたし、描けるモチーフは宗教的題材のみでした。これは人類の神への挑戦への物語でもあります。ストーリーの背景には真実を求めるローマの影響があります。人の想像力の素晴らしさを語った絵画です。誰も答えることのできない問いかけであり、その答えはフィクションの世界にあるのかもしれません。

私の同僚はこの作品を語るのに3時間かかると言います。私は彼に、3週間かかるというでしょう。といえば、私の同僚は3ヶ月かかるというかもしれません。私は3年かかるとも…笑。これだけの作品が一堂に会することは滅多にありません。ボスも素晴らしいので、この展覧会のすべてをぜひご堪能ください。

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