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特集! 上野「文化の杜」

Special Topics

「杉戸洋 とんぼとのりしろ」展レポート

2017.09.06

常滑焼のタイルによる
圧倒的な存在感の最新作

 

 一つ上の階に上がると、また白い部屋へ。ここにはダンボール、タイル、木などをつかった小さな立体作品などが並んでいます。低い位置から少しずつ高さを変えていく不思議な配置。展開された段ボール箱、郵便ポストのように口が空いた箱、山積みにされた空の箱など、下階の部屋同様、想像力を掻き立てられる展示です。

 

 

 部屋の外を出ると、下の階からも見えるタイルを組み合わせた大きな作品が、より存在感を放ちます。幅約15メートル、高さ約4メートルの最新作は、愛知県常滑市にある「水野製陶園」のタイルを用いた初の作品です。杉戸は常滑のタイルを用いたこの美術館の空間から、この作品の着想を得たとしています。
 
 細い通路に展示された同作品は、杉戸らしい色彩の常滑焼のタイルが階段状に組まれています。タイルには一つ一つ表情があり、雨に濡れたようなものから乾いた土のようなものまで質感も様々で、迫りくるような色彩の洪水から目が離せなくなるでしょう。作品の裏側も通り抜けることができ、ちょっとした遊び心が感じられます。

 

 

 現代アートというと、兎角難しく捉えがちですが、身近な素材で造られたこの居心地の良い空間は、アートに触れることの純粋な楽しさを思い起こさせてくれます。
 吹き抜けの空間を色と光で満たす「杉戸洋 とんぼとのりしろ」展。杉戸のしつらえたリビングルームで、アートを体感する悦びをぜひ味わってみてください。
取材・文/ 石山 真紀(フリーランスライター・編集者)

 

【開催概要】

東京都美術館 ギャラリーA・B・C

会期
2017年7月25日(火)〜10月9日(月・祝)

休館日
月曜日、9月19日(火)※ただし、9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開室

開室時間
9:30~17:30、金曜日は9:30~20:00(いずれも入室は閉室の30分前まで)

観覧料
一般 800円/65歳以上 500円/大学生・専門学校生 400円/団体(20名以上)600円
*高校生以下無料
*10月1日(日)は「都民の日」により、どなたでも無料

公式WEBサイト: http://hiroshisugito.tobikan.jp/

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