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特集! 上野「文化の杜」

Special Topics

~パナマ帽は豚を叩く夢を見る~
オペラ「Four Nights of Dream」

2017.09.14

 東京文化会館では今秋、夏目漱石生誕150年を記念し、様々な音楽のイベントを開催します。中でも日本初演となるオペラ「Four Nights of Dream」は、漱石の傑作短編「夢十夜」を舞台化した注目の作品。本作の見どころについて様々な角度からご紹介します。

 

「こんな夢を見た」ではじまる
掌編『夢十夜』を題材としたオペラ

稽古風景 ©Takaaki Ando

 「坊ちゃん」「こゝろ」「それから」「吾輩は猫である」「明暗」など、多くの著名な作品を持つ夏目漱石は、日本を代表する明治の文豪です。2017年は夏目漱石生誕150年の節目の年。東京文化会館では音楽愛好家でもあった漱石にちなんで、9月末から10月にかけて様々なクラシック音楽のイベントを開催します。
 
 特に注目されるのが漱石の短編集『夢十夜』を原作としたオペラ「Four Nights of Dream」。ニューヨークを拠点に活躍する作曲家長田原(おさだ・もと)が台本・音楽を手掛けたこのオペラは、東京文化会館とニューヨークのジャパン・ソサエティーとの共同制作による日本初演作品です。
 『夢十夜』は1908年の夏に朝日新聞に連載された漱石41歳の時の作品です。「こんな夢を見た」という印象的な書き出しで始まるオムニバス形式の10編の短編集であり、人の潜在意識の奥深くに潜む感情を描く幻想的な内容で多くの人を魅了し、近年では中学校および高校の国語の教科書にも掲載されています。

稽古風景 ©Takaaki Ando

 
 オペラ「Four Nights of Dream」は、『夢十夜』の中から、死を迎える女性との約束を果たすため墓石の前に座る男性の心の機微を描く情緒的な「第一夜」、無とは何かを悟るため座禅を組む武士の焦りと心の動きを追う「第二夜」、背負った盲目の子どもの声に怯える父親を描く怪談調の「第三夜」、パナマ帽をかぶった好青年・庄太郎が水菓子屋で出会った女性に連れられ奇妙な体験をするコミカルな「第十夜」をベースとし、長田氏自らが英語脚本を執筆しています。
 
 2008年にスウェーデンのヴァスターナ・アカデミーにて初演されたこの作品は、2012年にニューヨーク・シティ・オペラ「VOX」/オペラ・アメリカの新作品フォーラムで抜粋版がコンサート形式で上演され、今回の公演は新演出による上演となります。
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